生命の暗号—あなたの遺伝子が目覚めるとき—村上和雄(著) 出版社:サンマーク出版 価格:1680円(税込)
遺伝子研究をする科学者の立場から、この宇宙を創造し、律している人智を越えた存在を「サムシング・グレート」(偉大なる何者か)と呼び、科学万能主義の限界を唱えた村上和雄氏話題の書です。
本書は「こころと遺伝子の働きには相関関係がある」という仮説に基づき、「プラス思考が遺伝子に働きかけて人間の潜在能力を呼び覚まし、あらゆる可能性を引き出してくれる」という論理を展開します。そして、研究によって知り得た遺伝子の働きやこれまでの学究生活での経験等を淡々と語りつつ、よい遺伝子をONにして生きるためのさまざまな方法を提案しています。その方法とは、従来の多くの自己啓発書と同様、「プラス思考」の生き方ですが、その裏づけとなるロジックが「生命科学」であるという点は極めて新しいといえます。
村上氏によると、人間の持つ遺伝子のほとんどは普段はスイッチOFFの状態になっていて、望むべき遺伝子のスイッチをONにするには、物事を前向きに考える「プラス思考」が大切だそうです。また、遺伝子レベルで考えると、「こうあってほしい」と望むことはほぼ100%可能の範囲内であり、だれもが「奇跡の人」となる可能性を持っている…。精神論ではなく、科学的事実としての村上氏の言葉には、読み手に大いなる勇気を与えます。
では、どのようにすれば眠っている遺伝子をONにすることができるのでしょうか?その方法に関して、村上和雄氏は具体的に次の7点を挙げています:
- 1.環境を変えてみる
- 2.心の張りや生きがいをもって生きる
- 3.明るく前向きに積極的な思考を心がける
- 4.感動する心、感謝する心を忘れない
- 5.強い目的意識と夢中になる力を持ち続ける
- 6.「人のため・社会のため」を優先する ギブ&ギブの姿勢を貫く
- 7.人との出会い、機会との遭遇を大切にする
私たちの遺伝情報はほとんど眠っています。そうであれば、眠っているよい遺伝子をONにし、起きている悪い遺伝子をOFFにすることによって、私たちの可能性は飛躍的に向上します。
本書は、遺伝子ONの生きかたが科学的に解明され得るエキサイティングな時代の到来を告げています。「私の遺伝子のスイッチをONにすると、どんなことが起こるのだろう―-!?」読み終わって、自らの道なる可能性に眼を向けるようになるとともに、新たなる人生の一ページを開いてみたくなる一冊です。